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創作初心者に対するアドバイスについて

右も左もわからずに書き始めた頃をふり返って…

創作を始めて日が浅いうちは、「おもしろいものを書こう!」という意気込みはあっても、技術的なことはあまりよくわからず、無自覚で書いている部分が多い。また、そうして書いた書いた作品がはたしてどのていどのものなのか、自分で判断するのも難しい。
そこで、他者の意見──同人誌合評会などでの先輩や他のメンバーの意見が、初心者にとって大いに参考になるわけだが……僕の合評会時代をふり返って思うところを少し記してみたい。

初心者は、書いている時は短所はもちろん長所についても無自覚でいることが多い。そんな初心者の作品を読んだときに、まず気になるのが短所の方だ。作品の欠点は長所よりも明確で、具体的に指摘しやすい。合評会などでは、おざなりに褒めたあと、欠点について具体的に指摘されることが多い(多かった)ように思う。作者としては無自覚で書いた作品の欠点が指摘され具体化することで初めて問題点が意識化でき、「なるほど、もっともだ」と納得する。そして、意識化できた欠点を修正すべく書き直しをする──が、問題を解決したはずなのに、作品は書き直す前よりもつまらなくなっている……という現象が起きたりする。

初心者は具体的になった欠点を直すことばかりに意識が向いてしまい、無自覚で書いていたおもしろさ(長所)が薄れてしまうためだ。短所を自覚できたのに長所を自覚していないと、こういうことが起こる。
欠陥が修復できても、作品をつまらなくする改稿は本末転倒というものだ。欠点の修正も大事だが、意識すべきは《作品をより良くすること》。《手直しは、長所を活かすための変更》──くらいの気持ちで取り組むのがいいのではないかと思う。

合評会では、作品の短所(欠点)が明確化しやすいが、アドバイスをする側もされる側も、長所の指摘・自覚も大事だということを心しておくべきだと思う。
短所の指摘・自覚は簡単だが、長所の指摘・自覚は難しい。
手直しするさいに、短所の解決策が同時に長所を引き出す方向に働くような指摘が理想的だろう。
合評会では、色々な意見が出てくるだろうが、「その指摘が、その作品の良さを引き出すことに、どうつながるのか」という視点をもつことも大事なような気がする。

 

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